花器と道具について

「馬子にも衣装」と昔から言われるように、人は誰でも服や化粧などで外面を飾ることによって実際以上に立派に見せることができます。生け花もこれと同じで、同じ花でも花器を変えることによってがらりと印象を変えることができるために、“花器”は生け花においては花同様に重要な要素の1つであるとされています。
たとえば、“立花”は花器の数倍ある高さの花や木の枝を使って華やかに活けるのが特徴ですが、中国では神聖な儀式に使う器は左右対称でないといけないという言い伝えがあり、花器も左右対称のものが多いことから池坊専好によって編み出された当初は、フォーマルな場所を飾る立花の花器は左右対称が原則とされていました。自然の花のたたずまいを損ねずに縦長に活けるのが特徴の“瓶花”は投げ入れるように自然に活けることから“投げ入れ花”とも呼ばれますが、ここでは細長くて深い壺型の花器が選ばれます。
また、平面的な広がりをもたせて剣山に花を挿す“盛花”には、“水盤”という底の浅い平らな花器が使われます。“生け花”ではこのように花器そのものの質や形状も重要視されてきたために、滋賀の信楽焼や岡山の備前焼、佐賀の伊万里焼、石川の九谷焼など陶器や磁器の分野においても各地で芸術性の高い作品が多く作られるようになりました。
次に花器同様に生け花の引き立て役である“道具”を見てみましょう。まず“盛花”に欠かせないのが“剣山”ですが、これには丸型や角型、長型、いちょう型などがあり花器に合わせて選ばれます。そして、剣山によって花の角度をある程度自在に変化させることもできます。
“はさみ”には、持ち手の先がわらびのようにくるっと曲がった“わらび手”や持ち手全体が輪になっている“つる手”などがあり、通常のはさみよりも刃先が短くて持ち手部分が大きくなっているために、茎や枝、バラのトゲなども余分な力を入れずに無理なく切れ、1本あれば殆どの花材をカットすることができます。
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西洋画の手法の1つに、3つのポイントを決めてそれを基準にして“三角画法”というのがありますが、生け花の世界にもこれに似たものがあります。ここで言う3つのポイントは儒教において説かれている人間のあるべき姿を表した “天・地・人”「天と地の間に人がいる」という思想が基本になっていて、生け花という小さな世界の中で枝を“天”、“地”、“人”にたとえて活けていきます。 そしてそれぞれの役を演じる枝を“役枝”といい、流派によっては“天の役割をする枝を副”、“地の役割をする枝を体”、“人
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